地域農業のEひと 西澤 利夫(にしざわ としお)さん

“人とびわ湖に優しい地産地消”がモットー 自然豊かな多賀町・木曽でこだわりの農業を

メイン

栽培中のワクワク感と、収穫時の達成感が農業の大きな魅力です。

夫婦で複合経営を実践

 今では廃村となってしまった武奈町で、約10年前からゴボウをメインで栽培しています。自宅から畑へは片道30分もかかりますが、それを上回る魅力が武奈町の土壌にあると思っています。鉄分を豊富に含む赤色の土で育ったゴボウは、皮の色が美しい白色で、風味とシャキシャキ感が一般のものと比べて強いのが特徴です。その優れた土壌を活かして武奈町はかつてゴボウの産地として知られていましたが、廃村化に伴い、私が唯一の生産農家となってしまいました。この土地で育ったおいしいゴボウを一人でも多くの人に届けたいという気持ちで栽培に取り組んでいます。

西澤さんのトマトは半促成と抑制栽培で2シーズンに分けて収穫。頭に巻いた手ぬぐいには、こだわりの真っ赤なトマトが。

好物のトマトが経営の柱

 農業を始めた当初から栽培し、現在も農業経営の柱となっているのがトマトです。環境負荷の少ない丸太ボイラーと雪が多く降る木曽地域の気候を利用し、ビニールハウスで甘酸っぱい真っ赤なトマトを栽培しています。私自身がトマトを好きなこともあり、やはり完熟収穫したものの味は格別で、消費者の方々から好評をいただくのがうれしいです。私が育てたトマトはJAを通じて学校給食などに出荷するほか、JA直売所にも出荷しています。

地域で実践する「環境こだわり農業」

 「環境こだわり農業」にも水稲と野菜の一部で取り組み、“人とびわ湖に優しい地産地消”をモットーにしています。あまり知られていないかもしれませんが、木曽地域では全生産者がすべての米を「環境こだわり農業」で栽培しています。自然豊かな地域性が理由の一つに挙げられるのかもしれません。これからも引き続いて自然環境に配慮した栽培を続け、目標は夫婦で生涯現役農業です!!

※「環境こだわり農業」…化学合成農薬や化学肥料の使用量を慣行の5割以下に削減し、濁水の流出防止などびわ湖をはじめとする自然環境に配慮した栽培法

西澤さんのトマトは、やさいの里・やさいの里二番館などで、10-2月・6-7月にお買い求めいただけます。

プロフィル

多賀町木曽(たがちょう きそ)
西澤 利夫(にしざわ としお)さん(71)

■主な生産作物(令和2年度)
水稲 140a/野菜 66a/果樹 ハウス1棟