地域農業のEひと 川嵜 真哉(かわさき しんや)さん
今年4月から彦根梨農家として本格スタート! 将来の事業継承に向けて奮闘の毎日
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自分の意思でほとんど全てを管理できるのが、農業の魅力でもあり、厳しいところだと思っています。
日々実感する農業の魅力と厳しさ
妻との結婚を機に、彦根梨農家の義父を継ごうと引っ越してきました。県立農業大学校で勉強したのち、今年の4月から彦根梨農家として就農しました。農業の魅力は、繁忙期を除いて自分のペースで作業ができるところだと思います。好きな時間に梨園に来て、好きな時間に帰る…。サラリーマンでは考えられない働き方です。しかし、梨に対して時間や手間を掛けるほど大玉でおいしいものができるため、自分がどこまで手を加えることができたか?もっと効率よくする方法はないか?など、自分と向き合って仕事することが多く、自分の意思でほとんど全てを管理する必要があります。そこが、農業の魅力でもあり、厳しいところでもあります。
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切る物の太さに応じて使い分けるハサミ。川嵜さん曰く「相棒みたいな存在」
特産・彦根梨 おいしさの秘訣
彦根梨は、あらかじめ手作業で選別してから光センサーに通すことで、より品質の良い梨を販売できるよう取り組んでいます。また全量を彦根梨農家が共同で出荷する体制が整っているため、販売をJAに任せ、管理や収穫に集中することができるのも、良品質の梨づくりにつながっていると感じています。メイン品種の「幸水」は甘みと食感のバランスがとても良いです。シャキシャキした食感を保ちつつ青臭くなく、とても甘いという特徴は、彦根梨農家の努力が形になっていると思います。次に生産の多い品種「豊水」はまた違ったおいしさがあり、ほどよい酸味と「幸水」に引けを取らない甘みは好きな方も多いと思います。僕はどちらも好きですが、食後のデザートには「幸水」、運動後には「豊水」がおすすめです!次に彦根梨を召し上がっていただけるのは来年の夏ですが、ぜひ品種によって異なるおいしさを味わってみてください。
毎日考える彦根梨のコト
梨の栽培は年間を通じて作業があり、時には限られた期間に多くの作業量を必要とすることもあります。現状、繁忙期は親類などに手伝ってもらったり、単純に作業時間を増やして対応していますが、やはり負担が大きいのが課題です。最終的な目標は60aの梨園を全て自分に任せてもらえるようになることですが、まずはそれぞれの作業に掛かる負担を減らすことが目先の目標です。伝統ある彦根梨の栽培法などを尊重しつつ、学校で学んだ技術や自分の経験を活かして、より効率的で、より良い品質の梨をどのようにしたら栽培できるかを、毎日考えています。
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彦根市後三条町(ひこねし ごさんじょうちょう)
川嵜 真哉(かわさき しんや)さん(30)
■主な生産作物(令和2年度)
彦根梨 60a